Arashino Yoruno Shounen
私は、予想外の出費を回避。
おかげで、また、あの列車に戻ることが出来そうだ。
しかし。
まだしていない事がある。
私は、駅舎の中のマップを見る。
売店のマークを見つけ、走る。
少年は、完全に置いてけぼりを食らっていた。
私は、弾んだ息を整える。
後ろから、もう一つ。
置いてけぼりを食らわせてしまった。
流石にまずかったか。
すると。
案の定。
「Nanikahitotu Kattekuremasen?」
少しキレ気味に少年は聞いてくる。
仕方ない。
私は、財布と少年と相談する羽目になってしまった。
トホホ。
売店で買ったものを持ち。
私は、少年を待たせ、切符を買いに行く。
窓口に並んでいるうちに、私はあることを考えていた。
丁度、次が私の番だ。
いいチャンスだ。
聞いてみることにしよう。
「こんにちは、どちらまで行かれますか。」
その前に、と私は前置きをする。
「ここから1番遠い駅はどこですか。」
駅員は、少しお待ちください。
と言い、奥へ消えてしまった。
パタパタ、と駅員が小走りで戻ってきたのを、私は気付かなかった。
コンコン、と窓口のガラスを駅員がノックするまで。
私は、
「あ、ああ。」
と、慌てて振り返り、駅員を見る。
「えっと、このくらいの所にありますね。」
駅員は、持ってきたであろう路線図を、目一杯広げた。
しかし、それで終わりではなかった。
「おーい。新米くーん。」
と、駅員が呼ぶと、坊主の駅員が出てきた。
「こっち持って歩いて。」
新米駅員は、指示通りにする。
バサバサバサッ
折りたたまれていた路線図が、広がってゆく。
それから
「えーと、路線図で私から彼の所くらいの距離ありますよ。」
と。
そして
「ちなみに1cmで1kmありますよ。」
さりげなく恐ろしいことを言う。
旅はまだまだ終わらなそうだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます