Arashino Yoruno Shounen

 その駅には機関車が1両、停車していた。

長年風雨にさらされたであろう。

いたるところが錆びついている。


 気持ち、揺れが多い気がする。

全く。

困るものだ。


 私は、窓の近くに肘を置く。

ブゥワン

隣の線路を、最新型の特急が通る。

窓ガラスが震える。

その一番後ろに連結されていたのは。


あの錆び機関車だった。

安全面的とか、大丈夫なのか。

何故だろう。

疑問が募る。


 いつの間にか寝ていた。

車掌が、「次の駅で3時間停車します」

と、言って回っていた。

少年が、青ざめた顔とは反対に、目を輝かせている。

何かしたい事でも、、、

そこで私は考えることをやめた。


きっと食べ物の事だろうから。

車窓はいつの間にか、オレンジ色に変わっていた。

線路が夕日を反射する。


夕日の反射の数が増えてきた。

隣に2本しかなかったレールは、幾本にも増えていた。


そこを走る列車の種類も増えている。

電気機関車、気動車、蒸気機関車。

期待に胸を膨らませた少年と、頭を抱える私を乗せて。

列車は、静かにホームへ。


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