Arashino Yoruno Shounen

 少年が駆け寄ってくる。

私は、まあ、そこらへんの人よりは早い。

理解するのが。


まったくね、やり過ぎてたら怒るけどさ。

私はなるべく、家庭裁判で済むくらいで、と願う。


少年の口はそして開かれる。


「Ma,ma,Okoranaide Kitehoshiindesuga...」

切り出されたことは、



 新事実、少年は話下手。


クッソ話が長い。

なので、こちらで要約。


ま、私が頻繁にいなくなることに少年は、気付いていたらしく。


暇つぶしに、膨大な蔵書量を誇る本達に手を出した、らしい。

それにしてもすごいな。

それは。


 よくあれを解読できたな。

と、いう事だ。


 普通、私が持っているような本は。

魔書は、一見何の変哲もない中身に見える。

もとい、見せている。


何故なら、それは、個人の研究が他に漏れては困るから。

私も例外でもない。

かなり難しいような、そんな出来だったのだが。


 それも含め聞いてみよう。


 「あの、少年。何で私のを解読できたんだね。」

私は少年に問う。


少年からの回答を、私は予測できたか。


「Bokumo Kouiuno Kajitteitanode」

いやぁ、恐縮恐縮と勝手に少年は恐縮してしまっている。


 私は、もう、諦めてしまった。

そして思う。


これだけ出来るのなら、私と一緒に暮らさないか。




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