Arashino Yoruno Shounen
私は、動きを止めた。
次に目が移ったのは、少年の体。
腹の火傷の痕がひどくなっている。
少年は、回答を求めるように、目を合わせる。
気になることは、あるが。
このまま、森を彷徨わせることは、私の経験則上、よろしくない。
そうして、少年をまた、迎えいれることにした。
少年は、前と変わらず、暖炉の前に座る。
私にとってはの、日常が戻ってきた。
変わらず、ゆり椅子に。
暇だ。
本棚、から適当に抜き出す。
「樹木の可能性について」
あの頃の、誰かのだ。
関係ない。
暇つぶしだ。
興味深いものが、多かった。
あの頃ならば。
少年は。
猫のように、体を折り、じっとしていた。
ぱちぱち
不規則な、薪が発する音が、2人の間に、こだまする。
私は、街へ向かおうとした。
そして気が付いた。
嵐が再来していることに。
私は、少年を見る。
どこの街にもいそうな顔。
スースー、という小さな寝息。
しかし。
その正体は、不明。
たまには、いいかもしれない。
街に、雨の中行くのは、気が進まない。
だが、行かねばならない。
私は、餓死してしまうから。
渋々、私は、準備を始める。
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