Arashino Yoruno Shounen

 また、視界が暗くなっていく。



 次暗いのは、外の方だった。

そんな長く、ゆり椅子にゆらゆらされていたのか。


こんなに長く横になっていたのも、久々だ。


その理由は、あるのだが。


 夜になってから、外に出るのはまずい。

特にこの森は。

家の近くも例外ではない。


 唸るお腹をなだめるのは、もう諦めた。

このままでもういい。


私は、ご飯の代わりに本を貪り‘‘読む‘‘ことにした。


 この、小さな家には似合わない、大きな本棚。

私の知恵の供給源。


 さて、何にしようか。



 バァァァン


いきなり、だった。


ドアが開いたのは。

私は、石像になる。


「Sumimasen Mataojamashitemo Iidesuka?」


開けたと思われる、本人。

そして、聞き覚えのあるこの声。


声の主は、深々と頭を下げる。


顔を上げる。

そこには、昨日の少年の顔があった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る