全然関係ないんですけどルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンとヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは直接の親交があったそうじゃないですか。ええ、全然関係ない話ですね、失礼しました。
この、ある意味でのエディプスコンプレックスからの卒業の物語は、全おとこのこの心の聖域をえぐるのではないでしょうか。と言うかえぐられました。これはいけません。おとこのこは母より巣立ち、やがて母となるであろうあの子の胸に飛び込むのです。これはおとこのこの宿業なのです。
「男の」、じゃないですよ。
ルートヴィヒという、一人のおとこのこが、内面から外郭を見つめ、さながら切り絵を作るかのように内面と外面との折衝点を探る。もしかしたら、大人になる、というのは、この部分に一定の基準を見出だした状態のことなのかな、と思いました。
身体の性別に関わらず、おとこのこが大人になるための道筋が、この物語の中にあったように思います。