ルートヴィヒ少年の決断

作者 SHASHA

39

13人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

とても考察の捗る小説です。

「ルートヴィヒ」という王子様のみの視点で書かれていて、どんな国の王子様なのか、どうして辺境伯の娘を妻に迎えなければいけないのかはほとんど書かれていません。
ルートヴィヒ曰く、「由緒正しい王家の、歴史と伝統ある森と泉の国――そう言われるのは光栄なことではあるが、必ずしも実情と一致しているわけではない」とのこと。

すこし落ちぶれ気味なのかな?と思いきや。
突如として民から悪意を向けられるルートヴィヒ王子。
そして、初恋の女性、ケーテの「殿下の御世が来たら国の何もかもが良くなるって思ってます」「まだ御年十七の王子さまに、国の悪い部分を何もかもどうにかしてもらおうとしている。」という言葉、従者のマティアスの「もう本当に、この国が亡ぶかもしれないというくらい追い詰められているんですよ」という凄まじく重い言葉が出てきます。
とっても暖かい話に見えて、実は黄昏的な、別の面から見ると悲壮感のある話に見えてきます。

どういうことなのか。ひょっとして、母がルートヴィヒを十七まで箱庭に囲い続けたことと意味があるのか。色々と空想や考察が湧き出てきます。

こういう話はとても好きです。