少女

作者 鴉乃雪人

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★★★ Excellent!!!

 まさに不穏。

 大きな事件は発生しないが、夢と現実の狭間で揺れる……揺れざるを得ない。
 ある面でエロティックで、読み手の欲求をひたすら掻き立てる一方、直接的には行為どころか裸体さえ描いていないので、作者の方は何人にも「吐き出すこと」を許していません。
 作中の少女はそうした不安定さの上に成り立っています。
 文中では常に白い学校制服を着ているのですが、読み手の感性の内では完全な裸になってしまいます。もちろん、性的な存在なのですが、同時に生と死、純真と猥褻、と、いった循環しやすいことを統合する意味を持っているようにも思えます。
 そうでなければここまで美しい光景が描き出されることはないでしょう。

★★ Very Good!!

強いからこそ、誘い込むためにする擬態がある。
抗いがたい強い力の前に、対象は無力だ。
そこには自分の意志などなく、ただ誘われるがままに生かされる。
もしかして、あなたも同じように社会の何かに誘われるがままに生きてはいないか。
例えば、はかなき少女のあどけない姿に視線を奪われてしまったり……。

★★★ Excellent!!!

月明かりに照らされた丘の上――。
綺麗に照らされたその少女の姿が幻想的でした。
自分好みな世界観ということもあって、最後まで一字一句楽しませて頂きました。

綺麗すぎる少女の正体とは。
神秘的な魅力にとりつかれた主人公の結末は。
色々と想像させてくれるこの物語の真髄は、幽玄な舞台と残酷性だと感じました。

生贄という象徴的な冒頭と、付随するオチは、決して小説の中のお話だけではない。
現代の、そして日本の社会でも、この作品で自分が感じた残酷性は存在するのではないか、と思います。

素敵な物語をありがとうございました。


※「お化け企画」にご参加頂きまして、誠にありがとうございました。


にぎた