応援コメント

・第三十話「僕等は一つじゃない(中編)」」への応援コメント

  • なるほど、純粋まっすぐで、「俺TUEEEEEEE!」系の敵ですね。
    しかも、これって、『異世界もの』ひいては今どきの大勢の若者の「楽に強くなりたい!」「俺の気に食わない世界なら滅びろ」っていう二大欲望がむき出しです。
    そういう、「流行物」の暗部にメスを入れていく姿勢、大好きです。

    作者からの返信

    『神仰』との戦いで描写したように、リアラ達と『増大』は、力で世界を覆す者、その為に殺す者という意味で表裏一体、強きを尊ぶというのは戦で勝って悪を倒す主人公達もある意味ではそのルールの中にいる存在であり(力を身につける過程は違いますが)、憎い世界と戦うというのは、地球に侵略される世界という現実を殴る二人もまたそうではあるのです。
    今時の願望充足最優先型物語も煎じ詰めれば普遍的なものであり、必ずしも「流行に突っかかる事それそのものが目的」ではないのです。風刺ネタとしてそれもありますがそれだけではないのです。
    第一章から単なる異世界転生への風刺だけでなくブラック企業等現実の悪を誇張したような敵がいたのはこの物語が「現実と戦う物語」であり、それゆえ最近の流行から社会の不条理まで様々な者を風刺しつつ、何より「現実に支配されずに耐え抗う人達」への応援だからです。最近の流行についていけない人に、現実の社会に苦しめられながらも物語を愛する者としての生き方を守るべく趣味に使う為の時間を守るべく奮闘する人達に、虐げられる人々に等しく応援を送りたい。
    漫然と魔王と戦うより現実の悪が更に凶悪化した敵と戦う方がよりヒロイックに楽しめる物語となるのではないかと思い、日々のストレスに耐えて物語を愛する自分のあり方を貫く読者の方々も同じように英雄であり、君達はこの主人公と等しい、讃えられるべき存在なのだと私は読者を励ましたいからこの物語を書いているのです。
    そんな要素の一つとして異世界転生者と戦うビキニアーマーのヒロイン達は、流行りの怒涛の中で己の好みを守り通す人達に、同じ存在として寄り添う設定なのです。
    流行りの批判より、流行りに乗れない人達への救いでありたい。だから主人公の片方は、流行りが好きな人にも世の中にはこういうものもあるのだと門戸を開くために転生者で、ハーレムもういいよな人の為に非ハーレムで、男性主人公ばっかりはもういいよという人の為に女性(片方TSだけど)コンビなのです。
    そして、明日公開の次話で、現実的にヤバい背景を持っていた『神仰』より、ある意味更にやばい発言をしていく『増大』ですが、実際、こいつは、より普遍的な現実と物語のある要素の象徴でもあるのです。
    『神仰』という自分達の暗黒面と打ち勝った主人公達が、果たして次は何と戦い、どのような読者へのメッセージを出すのか。是非お読みくださいませ。

    編集済