第九節:梅雨。
出会って2ヶ月ほど経ったときのことだ。彼女を好きになったのは。
「
「なんだよ
中二のクラス替えで同じクラス、隣の席になり、話は面白いくらい合う――
別にそれでもいい。
「えへへー、それでねー」
「おう――」
雲一つない青空が広がっている。
らしくないことを考えたなと、自分で苦笑しながら彼女の話を聞いた。
***
教室の中は蒸し暑く、窓の外を見るとポツポツと雨が降っている。そして彼女は学校に来なかった。俺は静かに授業を受けていた。
***
次の日。大雨だ。――隣の席を見ても、そこにあるのは机と椅子だけだった。
***
連日雨が続いている。彼女が最後に学校に来たのはあの快晴の日だけだ。もう我慢ができず担任に欠席の理由を聞くと、「お腹が痛いそうね」と、てきとうな理由が返ってきた。そんなわけねぇだろ――そう思い彼女と同じ部活の女子に家の場所を聞き、放課後は自分の部活もサボって彼女の家に向かった。
インターホンを押すと出てきたのは由奈だった。快晴だったあの日とまったく変わらない笑顔を浮かべた由奈だった。
すれ違う君と。 淺野 武蔵 @kanzakijun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。すれ違う君と。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます