第3話


鞄からノートを取り出し、まだ真っ白なページを開く。


『○○月△△日 □曜日


今日も学校に行けなかった。』


それだけ書いてノートを閉じる。

このノートの内容は二ヶ月前からずっと同じだ。


鞄に手を伸ばし、少し止まって方向を変える。

2番目の引き出しの一番下から、人気のキャラクターが表紙に描かれたノートを取り出す。


表紙をめくる。


『○○月△△日 □曜日


今日から日記をつけることにする!

今日は、ずっと好きだった人に告白されました!

とっっても嬉しい!!』


3年前の日付、だと思う。

私に人生で初めての彼氏ができた。

中学2年のときだった。


あの頃は何もかも上手くいっていた気がする。

過去は美化されるというものもあるのだろうか。

でもあの頃に戻れたら、なんてことを考えることが多くなった。


もしあの時違う学校を選んで、もう少しだけ勉強をサボっていたら。


「違ってたのかな〜…、なーんてね」


小さく笑ったあと、スマホを開いて話題のゲームをし始めた。



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泥にまみれた太陽 佐野 和 @Kazu_Novel

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