もっと評価されてもいい作品だと思う。
常に夏という一風変わった設定の島が舞台のこの作品。そこは常夏の楽園として、観光業が盛んだ。主人公はその島の権力者の家系に生まれた少年である。その島は、神の島でもあった。
主人公が溺愛する妹。幽霊が見える知人。見え隠れするとある交通事故の記憶。謎が謎を呼び、複雑に絡み合っていく。そこには残酷な事実が隠されていた。神宿る常夏の島は、「常夏の楽園」ではなかった――。
時間の論理や神の存在など、難しい部分もありましたが、論理が緻密に組み立てられていて、まるで現代ファンタジーなのにミステリーのようでもありました。
ハイファンタジーよりローファンタジーが好きな方にお勧めの一作です。
是非、御一読を。