第24話 都の便り・三
命の証を立てんとばかりに盛んだった蝉の声が弱まり始めた頃、かぐや姫の求婚者の噂が、また都に流れた。
海の向こうの理想郷・
そして、最後の一人。英雄神の宝玉を指定された
だから、三月近く経って彰人が宝玉を手に帰還したのを見て、従者は歓喜し、神主たちは仰天した。この地に社が建って以来、本殿に立ち入って無事に帰還した者も、英雄神より宝玉を賜った者もいなかったのだから。彰人が初めてだ。石上彰人は社の歴史に名を刻む男となり、掌を返したように膝をつく神主らのもてなしを受けるのもそこそこに、愛しい姫君が待つ都へと帰路を急いだ。
しかし、天命はわからないものである。
都人は新たな噂を聞いた。左近衛中将の石上彰人が死んだ――――――――と。
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