E2 / 第三稿・バッドエンド(ただし、世界にとってだけ)

エピローグ


仮面のヒーロー舞台袖、着替え。


暗転からスポットライト、怪物へ。


怪物、フラフラと歩きながら、何度も倒れ、最終的に動かなくなる。


暗転

その場で怪物スーツを脱いで、置いてから舞台袖へ。


照明全灯


レヒト「リク! こっちだ!」


リク「ち……もうくたばっちまったのかよ、この怪物。お前の次元へは、行けそうにねぇな」


レヒト「う、うん」


リク「俺がいなくても、大丈夫か?」


レヒト「だ、大丈夫さ」


リクとレヒト、舞台中央へ。

――照明暗、人物スポットライト。


レヒト「リクは……大丈夫だよね。僕がためらったのに、簡単に倒しちゃったし」


リク「ああ、もちろん大丈夫じゃねぇよ」


レヒト「そうだよね……え?」


リク、レヒトを激しく抱き寄せる。


リク「大丈夫なんかじゃ……ねぇよ! どうして、どうして帰るんだよ! どうして簡単に行き来できないんだよ!?」


レヒト「怪物達が、こっちとあっちの次元を無理矢理繋いだからだよ。奴らを倒した以上、僕ももうすぐ元の次元へ戻されちゃうんだ」


リク「そうか」


リクとレヒト、強く抱きしめ合う。


レヒト「いつか、また会おう」


リク「また怪物と戦えってのか?」


レヒト「うん。世界がピンチに陥っても、リクに会えるなら構わない」


リク「俺もだよ」


レヒト、リクを離して舞台の向こうへと歩く。


レヒト「またリクと一緒にいられるなら、何度だって戦うよ……でも、もっと良い方法があるよ」


リクとレヒト、再び舞台中央で抱き合う。


リク「なぁ、お前もしかして、俺と同じこと考えてるか?」


レヒト「うん。このベルトがあれば、多分出来ちゃうよ。この次元も、僕の次元も……」


二人「征服してしまおう」


二人、強く、恋人同士のように、いつまでも抱き合い続けて見つめ合う。



暗転

閉幕

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