第54話 僕と懺悔と怒りと白い世界 -08

   八



 その日から、僕は学校帰りに病院へと向かわなかった。

 学校から帰るとすぐに机に向かい、大学ノートに書き込み続けた。

 寝る時間さえ惜しんだ。

 日曜日は一日中書いた。

 何ども書き直し、何でも模索し、何度も投げ出そうとした。病院にも、何度行こうと思ったことか。

 だが、僕は小説を書くことに専念した。


 ――そして。

 題名を書いた日から太陽が七回目の挨拶をした、その朝。


「……出来た」


 僕の、佑香のために書いた小説『Novel title Boku』は――完成した。

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