第1章 犬神憑きと陰陽師
――十二月四日。
今日は、私、
そして、今日は私にとって、特別な誕生日になる――。
「いってきます!」
神社の鳥居の前で落ち葉掃除をしている神主さん――叔父の
「おう、行ってこい」
どことなく粗雑で危険な雰囲気を漂わせた彰宏さんは(れっきとした神主なんだけど)、短く刈った黒髪と鋭い眼光、袴姿も手伝って、ちょっと怖い人に見える。
でも、見た目は親戚っていう贔屓目をなしにしても、大人の渋みがあって、私はかっこいいと思う。
実際、家に遊びに来たことがある友達は、いつも黄色い悲鳴をあげてるし。
「今日は寄り道なんかせずに、真っ直ぐ帰ってこいよ。――今日は、お前の大事な日だからな」
「うん、わかってる。……じゃあね!」
彰宏さんに手を振って、私は元気よく学校に向かった。
中学三年生、冬。
家が神社の家系ってことと、両親が健在なのに、家(本家)を出て、叔父と暮らしていること――ちょっと変わった家庭環境だけど、私にはトップシークレットがある。
それは、私が<犬神憑き>ってこと。
親友も知らない、私の一番の秘密。
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