SF、とくにスペースものというジャンルはほとんど読んだ事のない私ですが、描写が適度に丁寧でわかりやすく、また雰囲気のある文章で冒頭からすっと引きこまれました。
ストーリーが進行するにつれて出てくる様々な謎、とくに拾いものの少女の正体や、主人公自身の過去……。いろんな謎に興味を引かれるうちにどんどん読み進められます。SFらしいアクション部分の緊張感も見所のひとつ。そして後半になるにつれてキャラクター同士の息があってきて、繰り広げられる軽妙なやり取りがまた楽しいです。
本格的なSFらしさと読みやすさを併せ持つ作品ですので、SF好きの方から初心者の方まで、広く楽しめると思います。お試し下さい。
とある辺境の惑星で、救援要請を受けたアーゲンは、ニーナと共にミシェルという少女を保護するという展開から始まる。
ライトで軽快な登場人物が光る中で、描かれる世界はとても詳細に描かれており、実際に目にしていないにも関わらずその光景は鮮烈に脳裏に浮かんでくるようです。
まだまだ先のある物語です。
インスタントソルジャーという、軍事事特化のニーナの詳細とは。
アーゲンの過去とは。
そして、ミシェルの正体とは。
多くの謎を孕みつつの緊迫した物語。それでいてライトな交流の心地は見ていて安心感を抱ける。
本格とライトな融合による物語を、ぜひ体感して頂きたいです。