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2018年1月29日 09:51
なるほど、こういう手もあるかとつい思ってしまう。 わが「マチウ」は新篇の構想中で、まさに攻城戦に突入しようとするところにあるからである。50万対5千などという数ではまったくないものの、読んでみればそこに居合せる者たちの呼吸する空気は同じきな臭さであることを感じる。「騎兵500が突然右翼から突出し、それに呼応して弓箭隊に援護された歩兵3000が中央から怒涛の突撃をはかると……」みたいなダイナミズムで見せるのは苦手なタイプだと自分では思うので、とても参考になるとは考えていなかったのだが、やっぱり〝攻城戦〟にまつわるもろもろは、単なる受け身の読書とは違った読み方をさせてくる。 漠然とした意味で「氷月あやはこちらをインスパイアする」と前にも述べたが、今回はもっと具体的に、影響というか、「なら私のほうは……」という気持ちになりつつある。さらに貪欲に読ませていただきますよ(笑)。
作者からの返信
攻城戦は楽しいですね!「マチウ」でも登場するとは、新篇がますます楽しみになります。籠城する襄陽の前でどんな作戦・戦術が展開されたか。これに関して、私は本当に楽をさせてもらっていて、本物の趙萬年が書いた日記を再構築しているに過ぎません。(その「再構築」をいかに小説らしい形で成し遂げるかはまた別問題で、攻城のアイディアを練ることとは種類の違う難しさがあるわけなのですが)中国歴史ものを書くときの私のスタイルは、良くも悪くも「塩焼き」です。自分が獲ってきた素材を、いちばんシンプルな調理法で召し上がっていただいています。「マチウ」ではきっと全然違う調理法の攻城戦が食べられるのだろうなと、繰り返しになりますが、新篇がますます楽しみです!漢文資料『襄陽守城録』は、前近代の戦場をリアルに伝える日記として評価を受けるべき資料だと思います。この現代語翻訳やノベライズは世界初の試みなのですが、超訳版やタクティクスを足掛かりやヒントにして作品づくりに活かしていただけたら、紹介者としてこれに勝る喜びはありません。……何かのあとがきみたいになってしまいました。ええと。私はとても楽しみながら、手応えをバシバシ感じながら、多種多様な「攻城守城のタクティクス」を描いています。「ロマンティックな恋愛小説は書かないの?」と訊かれることもよくありますが、男を落とす話より城を落とす話のほうがはるかに好きなのです。
なるほど、こういう手もあるかとつい思ってしまう。
わが「マチウ」は新篇の構想中で、まさに攻城戦に突入しようとするところにあるからである。50万対5千などという数ではまったくないものの、読んでみればそこに居合せる者たちの呼吸する空気は同じきな臭さであることを感じる。
「騎兵500が突然右翼から突出し、それに呼応して弓箭隊に援護された歩兵3000が中央から怒涛の突撃をはかると……」みたいなダイナミズムで見せるのは苦手なタイプだと自分では思うので、とても参考になるとは考えていなかったのだが、やっぱり〝攻城戦〟にまつわるもろもろは、単なる受け身の読書とは違った読み方をさせてくる。
漠然とした意味で「氷月あやはこちらをインスパイアする」と前にも述べたが、今回はもっと具体的に、影響というか、「なら私のほうは……」という気持ちになりつつある。さらに貪欲に読ませていただきますよ(笑)。
作者からの返信
攻城戦は楽しいですね!
「マチウ」でも登場するとは、新篇がますます楽しみになります。
籠城する襄陽の前でどんな作戦・戦術が展開されたか。これに関して、私は本当に楽をさせてもらっていて、本物の趙萬年が書いた日記を再構築しているに過ぎません。
(その「再構築」をいかに小説らしい形で成し遂げるかはまた別問題で、攻城のアイディアを練ることとは種類の違う難しさがあるわけなのですが)
中国歴史ものを書くときの私のスタイルは、良くも悪くも「塩焼き」です。
自分が獲ってきた素材を、いちばんシンプルな調理法で召し上がっていただいています。
「マチウ」ではきっと全然違う調理法の攻城戦が食べられるのだろうなと、繰り返しになりますが、新篇がますます楽しみです!
漢文資料『襄陽守城録』は、前近代の戦場をリアルに伝える日記として評価を受けるべき資料だと思います。
この現代語翻訳やノベライズは世界初の試みなのですが、超訳版やタクティクスを足掛かりやヒントにして作品づくりに活かしていただけたら、紹介者としてこれに勝る喜びはありません。
……何かのあとがきみたいになってしまいました。ええと。
私はとても楽しみながら、手応えをバシバシ感じながら、多種多様な「攻城守城のタクティクス」を描いています。
「ロマンティックな恋愛小説は書かないの?」と訊かれることもよくありますが、男を落とす話より城を落とす話のほうがはるかに好きなのです。