第3話 指数の表記

 ロクリアちゃんはいまごろ学校で勉強しているころだろうか?学校の勉強は良いものだ。ことごとく役に立つ。すべての学問の最大公約数を勉強しているような感じである。だからこそ・・・その勉強の仕方はとても大事だ。翻って、中学生・高校生なんて年ごろは、最もインスピレーションにあふれ、脳の瞬発力にも最も優れた時期だ。こういう時期に、なにか専門的に突き詰める、という子がいてもいいと思う。学校の勉強では最大公約数しか習えないのだ。

 さて、グッドスタイン数列の話を今日ロクリアちゃんにしたい。したいが、一つとても大きな問題がある。私のいるこの世界は、カクヨムという宇宙のなかにあるのだが、そこの物理的性質に累乗の表記ができない、というものがある。なかなか自由の利かない世界である。私が座っている椅子の形はこんなに変な形をしていて、机の形など、とても3次元空間上にあるものとは思えない・・・そんな形状をしていてもだ。なるほど、読者たちのいる世界というものは累乗の表記が簡単にできるそうじゃないか。だが、3次元空間の中身まで一度に見通せるほど便利な世界ではあるまい。それならばどっこいどっこいである。では、累乗の表記を定めよう。

 aのb乗を

 a^b

 と書く。コンピューターに慣れ親しんでいる人ならおなじみだろう。

 累乗には結合法則が成り立たないので、

 a^b^c

 と書いたときには、

 a^(b^c)

 であると決める。つまり、aのbのc乗乗である。これは指数法則を考えればわかると思う。もし左から計算し、aのb乗のc乗と解釈すると、

 (a^b)^c=a^(b×c)

 となってこれでは指数の意味が無くなってしまう。まあ決まりの問題だが。

 指数が4つ以上重なっても右側から計算することにする。

 a^b^c^d^e=a^(b^(c^(d^(e))))


 さて、では次の値はいくつかな?

 3^3^3+3^3^2+3^3


 ふふふ、暗算で計算できる人はそれほど多くあるまい。

 7625597504697

 である。

 もちろん私は暗算で計算できない。計算できないので、関数電卓を使うのだ。


 おっと・・・こんなことを考えていたら・・・


「はかせーーー!!きたよーーー!!」

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