第一章
第1話 私、イケメンになりました。
「大丈夫か?」
そんな声で私は目を覚ました。目が覚めると私は知らない人の家のベッドの上に寝ていた。
そしてベットの隣には見ず知らずの男の人がいた。
「あれ? 私はなんでここに……?」
「お前、道端で倒れてたから俺んちまで運んできたんだ。 てかお前、男のくせに自分のこと私って呼んでんのかよ気持わりぃな」
「倒れてた……?」
その時智美は思い出した。
クリスマスの日の夜、会社で働いていたら急に見たこともない場所にいて気を失ったことを
「あ……倒れていた私をわざわざ介抱していただきありがとうございます……ん? というか、あなた今私のこと男だって言いましたよね? いくら私が彼氏いない歴=年齢の三十路おばさんだとしても女性に向かって男呼ばわりはひどくないですか!?」
私はベットから立ち上がり私を介抱してくれた男の前に立った。
すると男はすごく困惑した顔をした。
「お、お前、大丈夫か? 頭でも打ったのか?」
私は堪忍袋の緒が切れた。謝るならまだしも……何才だろうがブサイクだろうか女性に向かって男なんて言っていいはずがない、私はこの介抱してくれた男の人の家を出ようと思い玄関に向かうと私は言葉を失った。
何と玄関の棚の上に置かれていた鏡に私の姿は10代のイケメン男子に映っていた。すると私は今まで怒りで忘れていた疑問が急に頭の中に浮かび上がってきた。それはなぜ自分がここにいるのかだとか此処はどこかだとかなぜ自分が10代の男の姿になっているのか
私の頭の中は処理しきれない膨大な疑問でオーバーヒートし、私はまた気を失った。
「大丈夫か?」
そんな声で私は目を覚ました。目が覚めると私は知らない人の家のベッドの上に寝ていた。
そしてベットの隣には見ず知らずの男の人がいた。
「あれ? 私はなんでここに……?」
「それはもうやったわ!」
そう言った男の人は目が覚めたばかりの私の頭におはようのチョップを食らわせた。
「なっ! なにするんd……」
私は思い出した。
私が男の人に怒ったこともこの男の人が言ったと通り私が男になっていたことも自分がどこかもわからない所にいることも
そして私は状況を整理することにした。
まず、気がつくと私は見たこともない所にいた。そして私は男になっていた。
いやいやありえないでしょ……だがこれはまぎれもない事実。もうこうなってしまった以上元に戻るまで男を演じるしかない、よし! やってやる!
しかし男を演じるって何をやればいいんだろう……まずはこのイケメンが言ったように自分のことを私っていうのははだめよね、そしてあとは口調か……男の人とろくに話したことなんてないからよくわからないけどまぁなんとかなるでしょ!
「おーい! おーい! 大丈夫か? なんかずっとぼーっとしてるぞ」
「お、おう、大丈夫だぜ」
((男の人の口調は語尾に『だぜ』をつければいける!))
「本当か? それならいいがお前はなんで倒れてのか聞いてもいいか? あっ、その前に自己紹介だな、俺の名前はフレアだ。よろしく頼む」
「フレア!? ずいぶん珍しい名前だな、俺の名前は智美だ。よろしく それで俺が倒れていた理由だが実は俺自身自分がなんでここにいるかわからないんだ。 」
「そんな驚くほど珍しくはねぇだろ、というかお前の方が珍しいわ、智美なんて聞いたこともないぞ! なんでここにいるかわからない……? 記憶喪失ってやつか? それならこの近くの冒険者ギルドになくした記憶を思い出させる魔術師の知り合いがいるぞ 」
私はフレアが何を言っているのか理解できなかった。冒険者ギルド? 魔術師?
そして私はあの言葉を思い出した。
『あなたは異世界に行きたいですか?』
まさかこれって……あのライトノベルで絶大な人気を誇るジャンルの異世界転移ってやつ……?
いやでもそんなことありえない……でもそうだとしたら納得できる……
私はまた気を失った。
三十路の私が異世界に転移したらイケメンだった件について オレンジラフランス @orenzirafuransu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。三十路の私が異世界に転移したらイケメンだった件についての最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます