詩片

獣狩りの夜

獣狩りの夜が来るよ

暗がりのなか

目を凝らして

何かが蠢いてる

みんな大地を大きくふみならして

その音を聞いただれもが

この列に加わっていく

獣狩りの夜がくるよ

掲げる火はごうごうと輝いて

空の星も見えないくらい

それなのに森の奥はちっとも見えやしない

見えぬ獣たちの息遣いに

私たちは怯えて

大きな声で歌を歌う

獣狩りの夜が来るよ

獣はどこだ 獣はどこだ

獣はここだ！とだれかがいった

獣はみんなで追い払わなくちゃ！

でも夜闇の中見えない獣を

誰が獣だとわかるだろう

いつまでもやってくる獣狩りの夜