今回予告とキャラクター紹介、それからついでに自己紹介(いまさら)

「よし、終わり」


 拓也の合図により、キャラクター作成が終了する。

 A3サイズの大きな用紙。キャラクター作成の前は、空欄だった、その用紙の記入項目の殆どが、今はもう埋まっていた。

 キャラクターシートを広げ、私はそれをボーっと眺める。空欄のイラスト欄、そこには何も描かれていないはずなのに、そこはまるで鏡の様に私の姿が映っている気がした。


「それじゃあ、キャラ作も終わったことだし、はじめ行こうか」

「は、はい!」

「おっけ~。こっちもキャラ作終わってるよ~」

「うい」

「いつでも行けるよ」


 拓也の合図で、それぞれ準備完了の返事を返す。


「それじゃ、まずはキャラクター紹介と自己紹介をしてもらおうか。

 まずは今回のGM、ゲームマスターつまり、このゲームの管理役であり、進行役であり、そして語り部である、俺からして行こう。

 俺は水島みずしま拓也たくや。同じクラスだし名前くらいは知ってるかな。一応、このゲームサークルの会長をやってる。主にGMをやる事が多いかな。以上、よろしく!」

「「よろしく」」


 今更だけど、同じクラスだったのに名前覚えてなかったとか言えない……。


「じゃあ、次は私、行きます! 私は比奈宮ひなみや一輝いつき。学年、クラスは拓也と森川さんと同じだよ~。

 で、私のキャラクターは……ユーリア。ハーフエルフの女性、クレリック神官。一攫千金を目指して、冒険者始めました!

 お金の為なら人だって○っちゃう神官です!」

「こんな神官、許されるのだろうか……」

「金さえ払えば、命だって買える。それがファンタジー世界でしょ? 金がすべてですよ」

「さすがにそれは……半分間違ってないけど、間違っていると言いたい……」

「ま、そんなわけでよろしく!」


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名前:ユーリア レベル:1

種族:ハーフエルフ 性別:女

クラス:クレリック サブタイプ:ウォー・プリースト

HPヒット・ポイント:10

SPスペル・ポイント:3

ACアーマー・クラス:16

STR:14 INT:11

DEX:8 WIZ:18

VIT:14 LUK:9

技能

宗教学1Lv、知覚1Lv

習得魔法

ガイダンス、セイクリッド・フレイム、ファスト・エイド、キュア・ウーンズ、シールド・オヴ・フェイス、ブレス、ヒーリング・ワード、ディテクト・マジック、ディヴァイン・パワー、プロテクション

特技:戦場の詠唱者

能力:回復強化


装備

武器:バスタード・ソード

防具:スケイル・メイル


==================


「む。私は月城つきしろイリス=リルヤ。名前は長いからイリスでいいよ。一応新入生。

 で、私のキャラはリンネア。白く長い髪のエルフ。クラスは魔女ウィッチ

 冬の魔女と呼ばれる、冬と共に生き、冬を導く魔女。それ故に森を枯らす存在そして、エルフの里から追放されました。今は生きるために仕方なく冒険者をやってます。将来の夢は、世界を雪で覆う事、です」

「あれ、結構ヤバげな人?」

「ふふ、全部真っ白に染め上げてあげる♪」

「ダメだ、早く何とかしないと……」

「大丈夫、まだ大した力はないから。そんな感じで、よろしく~」


==================


名前:リンネア レベル:1

種族:エルフ 性別:女

クラス:ウィッチ サブタイプ:スノー・ウィッチ

HP:9

SP:3

AC:13

STR:10 INT:18

DEX:16 WIZ:15

VIT:12 LUK:13

技能

自然学1Lv、魔法学1Lv、宗教学1Lv、知覚1Lv

習得魔法

フロスト・ボルト、ライト、ネクロ・タッチ、キュア・ウーンズ、インフリクト・ウーンズ、イル・オーメン、フィアー、スリープ、ディテクト・マジック

特技:元素の熟達者(水)

特殊能力:邪眼、使い魔


装備

武器:クウォーター・スタッフ

防具:なし


==================


「次は私か、私はひいらぎ有栖ありす。一応、この中での最年長で、学年は3年だ。

 私のキャラクターは、アイリスという。種族は人間、クラスはスレイヤー、殺し屋だな。

 生まれは普通の家庭に生まれたが、小さい頃に両親が何者かに殺され、小さいながら一人で生きるしかなくなり、一人で生きていくために、殺しの技術を学び、殺し屋になった。今は、殺し屋として働く傍ら、自分にこんな人生を味あわせた者、両親の敵を探している。

 こんなところかな」

「なんか、相変わらず、普通だよね。アリスらしいけど」

「普通じゃダメなのか?」

「ダメじゃないけど、いや、ほら、なんかはっちゃけた部分て、ほしくならない?」

「……そんなのが欲しいのは一輝だけだよ……」

「そうかなぁ……」

「ま、そう言うわけでよろしく」


==================


名前:アイリス レベル:1

種族:人間 性別:女

クラス:スレイヤー サブタイプ:なし

HP:11

SP:0

AC:14

STR:14 INT:14

DEX:17 WIZ:13

VIT:13 LUK:12

技能

運動1Lv、隠密1Lv、技巧1Lv、交渉1Lv、生存1Lv

特技:二刀流、攻防一体

能力:暗殺術+1、追跡


装備

武器:シミター×2

武器(サブ):ダガー

武器(サブ):ロングボウ

防具:レザー・アーマー


==================


「では、最後、森川さん、自己紹介とキャラクター紹介、お願い」

「は、はい!」


 拓也に促され、上ずった声を上げる。

 ようやく自分の番が回ってきた。緊張で高鳴る胸を押さえつけ、深呼吸をする。


「わ、私は森川結城です。学年、クラスは水島君と比奈宮さんと同じです。えと、趣味は読書、です。

 それで、それで、わ、私のキャラクターはユイキって言います。げ、現実世界から、異世界に迷い込んできた人間です。く、クラスはスペル・ソード、魔法剣士です。

 異世界に迷い込んできて、まだ何も知らないので、魔法剣士ですが、魔法も戦いかとも知りません。これから、多くの事を知り、世界の事、魔法の事、戦い方の事を知り、成長していきたいと思います。

 よ、よろしくお願いします!」


 声を張り上げ、頭を大きく下げた。そういえば、こうやって知らない人たちの輪に入っていくのは、初めてだったかもし知れない。それだけに、拒絶されるのが怖く、不安だった。

 パチ、パチと小さく拍手が上がる。そして――


「よろしくね~」

「うむ、よろしく」

「よろしく」


 それぞれの挨拶が返ってきた。それが、自分を受け入れてくれたのだと理解し、安堵と嬉しさがこみ上げてきた。


==================


名前:ユイキ レベル:1

種族:人間 性別:女

クラス:スペル・ソード サブタイプ:なし

HP:10

SP:2

AC:12

STR:17 INT:16

DEX:14 WIZ:10

VIT:13 LUK:13

技能

なし(これから)

習得魔法

なし(これから)

特技:なし(これから)

能力:なし(これから)


装備

なし(これから)


==================


「では、自己紹介も終わり、実際のセッションを始める前に今回予告から。三人にはもう伝えてあるけど、新しい人がいるから言うね」

「今回予告?」

「次回予告みたいなもの。次の話は~、じゃなくて、今回の話は~、だから今回予告」

「あらかじめどんな話なのかせっておくと動きやすいからね」

「なる、ほど?」

「それじゃ、いくよ。


 イストベイルは未開の地だ。人の街は無く、ただ森と山だけが広がっている。

 けれど、この未開の地には、何もないというわけでは無い。この地の奥底にはドワーフの残した坑道、エルフが作りし神殿があると言われている。

 そう、この地はかつて、幾つもの種族が覇を争った場所なのだ。

 けれどそれは昔の話。長い時と共に忘れ、森と共に眠るのみ。古の伝説と、太古の黄金と共に眠るのみ。

 冒険者たちは向かう、古の伝説と太古の黄金を求めて――」


 朗々と拓也は今回予告を読み上げる。どこにでもありそうな、そんな文章だった。けれど、これからそんな冒険をするんだと思うと、また違ったように聞こえ、引き込まれた。

 そして、目の前に、青々とした木々が生い茂り、シダが多く古びた遺跡などの姿が、眼前に見えた気がした。


 私の、私だけの、私達だけの冒険が始まる。


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結城「SPとACってなんですか?」

拓也「SPはスペル・ポイント。魔法を使う時に消費するものだね。いわばMP。

 で、ACっていうのはアーマー・クラス。回避力や防御力なんかの、防御の総合的な数値。これに基準に攻撃の成否や、ダメージの数値なんかを出していくんだ」

結城「あれ、私、AC低いですけど、大丈夫なんですか?」

イリス「鎧きてないし、そんなもん。大丈夫、大丈夫、ACがいくらあっても、死ぬときは、死ぬから」

拓也「月城さん、そういうネガティブな発言は辞めてくれませんかね……」

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冒険に必要な物は? 紙とペンとそれから―― 私と、私達の放課後異世界ファンタジー 夜鷹@若葉 @cr20_yamaraj

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