153 会うと、アウト2

萌神(盗撮は見破られたが……まさか私たちの姿まで見えているというのか……!?)


萌兄(いくらキモウトだからって、ここまで常識外れるなんてあり得るのかい……!?)


阿仁月「……バカ面をぶら下げていますね。今更命乞いをしても、私は容赦しませんよ? お兄様の部屋を汚すごみ共は、廃棄場に捨ててあげないといけませんからね」


ロボ娘(……こいつ、強い。とんでもないくらいに。しかもそれを支えているのは容赦のない性格。平気で人の背中を狙い撃つ。この手の手合いと戦う……まだ悪魔とやった方がましだロボ)


阿仁月「……そこにいる女。やけに金属臭いですね。あなた人間じゃないですね?」


ロボ娘「……だからどうしたロボ?」


阿仁月「鉄くずなら鉄くずらしく、スクラップ置き場にいてください。そしてそのまま帰ってこないでください」


ロボ娘「……お前に命令される覚えはない。私に命令していいのは雄常さんだけだロボ」


阿仁月「誰があなたに意見を求めましたか? 無機物は無機物らしく、人に使われてればいいんです。それ以上余計なものはいらないんですよ?」


ロボ娘「……」


阿仁月「……」


雄常「……ていっ」


(雄常のダブルチョップがロボ娘と阿仁月の頭に決まる)


ロボ娘、阿仁月『!!』


雄常「はーい、喧嘩はそこまでー」


ロボ娘「しかし雄常さん……!」


雄常「しかしも何もない。ダメなもんはダメだ。萌神とじゃれるのとは違う雰囲気だしてたぞ。お前らしくもない」


萌神(いつもと同じ殺意を出してた気がするけど、そこらへんは黙ってこう)


雄常「阿仁月も阿仁月だ。悪いことはしないって昔約束しただろ。そりゃ困惑するのは分かるけど、萌神たちは俺にとって大切な人たちなんだ」


阿仁月「お兄様が私に暴力を……お兄様の手が私の記憶と感覚に刺激を与え、永遠に消えない記憶を刻んでくれた……お兄様に私の人生も、感覚も、今も未来も、全てを支配された……阿仁月、幸せ……」


雄常「聞けよ」

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