お兄様だけど、愛しかないから関係ないです(長編 萌語物語)

146 最悪との際会

それはある朝の日の出来事


萌神「(モキュモキュ)今日も元気だシュークリームがうまい! いくらでも食べてたいぞ! ロボ娘、お前の分をくれな」


ロボ娘「……何だロボ?」(両腕をのこぎりに変えながら)


萌神「……い、いやあ、雄常はどこに行ったのかな?と思ってだな……」


ロボ娘「先ほど電話がかかってきたようで、外に行かれたロボ」


ガチャ


雄常「……」


萌神「おかえり……ってどうした、雄常。顔色が悪いぞ」


雄常「いや、ちょっとあってな……」


ロボ娘「……なるほど、遂に萌神に愛想を尽かしたわけですね? それでしたらこの私がチリ1つ残さず消滅させてやりますロボ」


萌神「何で私が死ななければならないんだ! 私が死んだら世界の損失だぞ! 国葬だぞ! 萌えの発展が10年は遅れるぞ!」


ロボ娘「はっきり言っておく、それはどの世界線に行ってもあり得ない。そして100年遅れても何の障害もないロボ」


雄常「やんなくていいから。俺は萌神のこと迷惑に思ってないから。ただ、な……」


萌神「……本当にどうした、普段のお前らしくもないぞ」


雄常「……隠してても仕方ないか。萌神、ロボ娘。悪いけど少し席を外してくれないか? お金も少し出すから」


萌神「別に構わないが……何か事情であるのか?」


雄常「……俺の妹が今日の午後に来るらしいんだわ。というか、もうこっちに向かっている」


萌神「何度か話題に上がった妹か。しかし私たちは一般人には見えない。ならばいたところで問題ないのでは?」


雄常「ああ、理屈で言えばそうなんだが、ちょっと……あいつは変わっているから」


萌神(ふうむ……何やら言語化しにくい妙な雰囲気が心中に漂っている……これは何かあるな)


萌神「分かった。そこまで言うなら出ていこう。しかしこれだけは聞かせてくれ」


雄常「なんだ?」


萌神「そいつの名前。妹さんは何という名前なんだ?」


雄常「ああ、あいつは阿仁月あにづき。波野阿仁月っていうんだ」

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