135 スクローズのつば九郎も持つ属性

雄常「萌神ー、ただい」


雄常の部屋の中央に巨大なざるが棒で支えられ、持ち上げられている。


萌神「……」


雄常(……これ、あれだよな。スズメとか捕えるときによく見る罠、だよな……ざるの下にエロ本置いてあるし。しかもご丁寧に萌神が押し入れから覗いてる。かかってあげるべきかな……)


萌神「……!」


雄常(あ、何か動かないことに焦りだしたのか、押し入れからお金をざるの下に投げ始めた。でも出すの一円玉や五円玉だけか。そんなんで引っかかる奴がいると思ってんのかあいつ?)


萌神「……!」


雄常(あ、押し入れから出てきてざるの下に裸で転がった。自分を餌にしたつもりなのか。裸はもう何度も挑んでいるのにダメだって思わないのかなぁ。しかも手につっかけ棒を崩す紐まで持ってるし。バレバレなんだけど)


萌神「……うっ……! うう……!」


雄常(……自分でも破綻しかかっているのが分かったのか、泣き始めたぞあいつ。あー、何か可哀想になってきたな……)


雄常「わー、何だろう。家に帰ったらお金とエロ本と裸の女の子がいるぞー、とっても欲しいなー、近づいてみよー」


雄常、ざるの下に入る。


萌神「今です!」


萌神、持ってた紐を引き、ざるを雄常に被せる。


雄常「わー、罠にかかってしまったー、まさにこーめーの罠だー。大変だー」


萌神「ふははは! 引っかかった引っかかった! 愚かなる雄常! 私の仕掛けた罠にまんまと引っかかったな! 間抜け!」


雄常「うわー、とても見抜けなかったー。萌神の罠は最強だー」


萌神「その通りだ! そのまま私を褒め称える言葉を垂れ流すがよい! そうしたら気まぐれでお前を解放してやってもいいのだぞ!」


雄常「早く解放してください萌神様ー。そしてこれは何の萌えなんですかー」


萌神「まだ分からんか! これぞ腹黒女子! 罠を仕掛け相手をはめる。そして高笑い! 正に腹黒女子の模範例だっただろ?」


雄常「……ウンソウダナー」


萌神「おい何故そこで目を逸らす」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る