109 雨の日によくみられるもの

ギュ……ギュ……ギュ!(レンチでボルトを絞めながら)

萌神「はっはあ! 完成だ! ローション床! この部屋の床という床はほぼ全てローション塗れだ!」


萌兄「どうやってレンチでローション床を作ったのかって? 『そのとき不思議なことが起こった』から気にしないで!」


萌神「今私達が立っているところ以外、全てヌルヌルのヌトヌト! 足を一歩でも踏み出せば極小の摩擦しか無いため、転倒腹這い必至! 起き上がろうとしても滑ってしまい、再度倒れるのは確定だ!」


萌兄「その結果、必然的にローションの水分を吸収する服! 水の膜が服の中で作られ、光が通りやすくなる! 『濡れ透け服テカり添え』の完成だね! これは男女どちらだろうと、逃れられないのさ!」


萌神「服を着ているのに見える素肌! 筋肉! 脂肪! これぞTHE非日常! 故にときめき! だから萌え! それを実行するために、私がここにダイブして、ヌトヌトになる!」


萌兄「そしてボクも、雄常くんを巻き込みつつ飛び込んだ! 『気持ちいいだろ?』というハスキーボイスで、雄常くんに絡みつく! こうすることで雄常くんの心にギンギンに訴えかけるんだ!」


萌神「ふははは、帰ってくるのが楽しみだ! ロボ娘と2人で朝なにやら出かけていったが、帰ってきたが最後! 萌えパワーいただきだ!」


萌兄「うん! 2日後に帰ってくるのが楽しみだね!」


萌神「……2日後?」


萌兄「うん、2日後! 今2人は旅行に出掛けたんだよ!」


萌神「……私何も聞いてないんだけど? え? 仲間外れ?」


萌兄「それは違うよ!」


萌神「何で?」


萌兄「だってボクが断ったんだもん! 2人がいなくなる絶好の機会だからね!」


萌神「余計なお世話だバカ兄者! 私も旅行行きたかったぞ!」






雄常、ロボ娘、和歌山にて

雄常「いやー、やっぱりパンダ可愛いかったなあ。おやつあげる体験までできるなんて、この旅行来て良かったわー。萌神もくりゃ良かったのに」


ロボ娘「雄常さんはパンダが好き、と……」

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