106 似て非なるもの(クーデレ編)

ミーンミーンミン……


萌神「今日は暑いな……」


雄常「エアコン効かせてんだけどなー……」


萌神「ならせめて萌えだけでも冷たく、クールに行こう! だから今日の萌えはクーデレだ!」


雄常「よく分からないけど名前から察するにツンデレの親戚か?」


萌神「名前的にはそうだが、中身は違う! その違いはインドとインドネシアくらいに異なり! 東のエデソとエデソの東くらいに相違し! 涼宮八ルヒと涼宮八ヒルくらい」


雄常「分かった、もういい。やめよう。それ以上いけない」


萌神「むう……分かった。だがクーデレの解説はさせてもらおう。クーデレとは、その字の通り、クールとデレが混ざったものだ。普段はクールであるのだが、2人きりのときにはクールなりのデレを発揮する。恐ろしい萌えだ!」


雄常「……それツンデレとほぼ同じじゃないか?」


萌神「お前は一体何を聞いていた! クールなりのデレ、と言っただろう! ツンデレとの違いはそれだ! 普段の態度も違うのだが、一番の点はそこなのだ!」


萌神「ツンデレの場合、好意を表すときに赤面しつつ小声で何かを言う! お礼を言ったり本音を言ったり! これがツンデレのテンプレ! クーデレはその様にしない! クーデレの場合は、こうだ!」


萌神、雄常の腕に体を寄せる。


萌神「何かを語るのではなく、体を寄せ付ける! 肉体的接触を好み、常に赤面した己を見せる様に体を絡めてくる! 『2人にもう言葉はいらなかった』を字で行くのがクーデレの特徴なのだ!」


雄常「今のお前はしゃべりまくってるけどな」


萌神「ともあれどうだ! これがクーデレ! 後はこのまま黙ってお前に蛇の如く絡みついてアピールしてやる! これできっとお前もクーデレに目覚めるぞ!」




3分後(ミーンミーン……)


萌神「……」


雄常「……」




5分後(ミーンミーン……)


萌神「……」


雄常「……」




10分後(ミーンミーン……)


萌神「雄常、言いたいことがある」


雄常「俺も」


萌神・雄常『暑苦しいからこれやめない?』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る