74 DT(どうあがいても殺そうとする)を殺す(前編)

萌神「神は人を作り、人は物語を作る。とあるゲームのキャッチフレーズだが、知っているか?」


雄常「ロマサガのリメイクだっけ? CMか何かで見たな」


萌神「正解だ。そしてこれは萌えも同じだ。何故なら萌えは神が作るにあらず。人によって見出だされ、感じられ、そして定義付けられるものだからな。今私が着ている服の萌えもそうだろう」


ロボ娘「当然だ。お前に造物されたなど恥辱以外何物でもないロボ」


萌神「お前ひどすぎないか! 私は神様だぞ! 偉いんだぞ! サインをとあるオークションに出品したら200円の値がついたんだぞ!」


雄常(……いつまで経っても誰も落札しなくて可哀想だから、俺が買ったんだけどなそれ)


雄常「ともあれ、それと今の格好とどう関係しているんだ? 俺にはとあるパン屋の店員さんが着てる制服っぽいもの位にしか見えないんだが」


萌神「確かに雰囲気的な部分は似てなくも無いかもな。しかし少し違う! この格好は今歴史を作る無銘の人々が創作しあげたものだ! その名は、ズバリ童貞を殺す服だ!」


雄常「え、俺童貞なんだけど死ぬのか……?」


ロボ娘「ご安心を。雄常さんを害する者は等しく私の最上級の敵となります。つまり今のこいつは私の不倶戴天の敵。排除しますロボ」


萌神「全身を兵器に変化させながら怖いこと言うな! どれか1つでも当たったら私死んじゃうだろ! 比喩! 比喩だから! 本当に童貞を殺す訳じゃないから!」


ロボ娘「本当か? 口からでまかせを言って、言い逃れをしようとしているのではあるまいなロボ?」


萌神「するか! 見てみろこの格好を! 黒と白という清楚さを表す色合い! これのどこに殺傷力があるというんだ! あるのはメイド服を彷彿とさせ、色恋に疎い人間でも惹き付ける力のみ! つまり童貞を童貞で無くそうとする、そんなはたらきを持つことが分かるだろう!」


ロボ娘「童貞を童貞でなくす、つまり殺すということ。雄常さんに危害を加えようとしている。やはり敵ロボ」

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