60 ボクは妹に恋してない(前編)

雄常「あーあ……疲れたわー……もう講義受けたくないわー……集中講義とかもう勘弁だわー……」


雄常(でも今日は遅くなることを伝えておいたから、夕飯の準備はロボ娘がしてくれてるはずだし、気が楽と言えば気は楽かー)


雄常(でもそれをふんぞり返って受けるのもどうかと思うし、シュークリームくらい買ってくかなー)


30分後、雄常のアパートにて


雄常「萌神ー、ロボ娘ーただい」


??「ようこそ波野雄常くん。ボクは君の来るのを待っていた」


雄常「……何?」


雄常(……萌神は? ロボ娘は? どこ行ったんだあいつら? そもそも誰だこいつ? 何で俺の家に見知らぬ男がいるんだ? 泥棒? いや、それよりも何でこいつ、ナチュラルに俺ん家のちゃぶ台を勝手に使ってるんだ?)


雄常(というかこいつの顔……目鼻立ちも輪郭も整っていて、アイドル真っ青のくらいイケメン、ハンサム、美形……俺が女だったら間違いなく惚れてるレベルだぞ……)


??「歓迎するよ。何なら、幼女やロボ娘も呼んだらどうだい?」


雄常「……」


??「無言かい? それもまあいいさ。それならボクはボクの言いたいことを言わせてもらおう」


??「ボクの実験は十分成功したんだ」


雄常「実験?」


??「そう、ボクは人類が互いにルールを守り過ぎているために、萌え合っていないことに目を付けた」


雄常「あ、もう分かった。いいよそれ以上続けなくて」


??「(無視)萌えパワーをもらうのに自分たちがコスプレする必要はない。人間同士の常識を失くしてやればいい。人間たちは必死にお互いに属性を出し合い、衣装をまとう。どうだ、いい作戦だろう?」


雄常「(無視返し)お前、萌神の関係者だな。多分神様の1人だろ?」


??「……へえ、どうしてそうだと?」


雄常「会うなりメ卜□ソ星人のパロディをかましつつも、萌えを語っている時点であいつの関係者以外ありえないだろ」


??「ウルトラ警備隊? 怖いのは」


雄常「もういいから。一文字も言ってないから」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る