番外編 朝王伝説
日曜の朝にて。
トントントン……
雄常「……んあ? 何の音だこれ?」
萌神「おはよう雄常! 今日もいい天気だぞ!」
雄常「萌神……もしかしてお前朝ごはん作ってくれたのか……?」
萌神「ふぅん、いい顔だな! 驚きと嬉しさがないまぜになった、いい顔をしているぞ雄常! 最もこのシチエーションを思えば当然だがな! このまな板を叩く包丁の音に目覚めるという、鉄板シチエーションの再現は!」
萌神「自分のために誰かが何かをしてくれる! それも朝に! これは慣れてしまいがちになりやすいことだが、本来はとても嬉しいことなんだ! 何故なら朝とは多くの人にとって忙しい時間、誰しもが長く寝ていたいし自分の準備があるしで特殊な時間なのだ! しかしそんな甘えや都合を振り切り、己のために尽くしてくれる! 最高かよ!」
萌神「平日という、学校やら仕事やらが入っているときにしてくれても喜び一杯だし、休日という自分も休みたい日ならなおさらそれは加速する! 何故そこまでできるのか! それは愛があるからだ! 愛があるから何かをしたいし、それで喜んで欲しいと考え行動する! 最高だよ!」
萌神「という訳で雄常!今私はお前に対して愛に溢れた行為をしているところだ! それに関して好きにコメントしていいぞ! 『萌神様! 自分の卑小さが骨身にしみてわかりました! これから神社を丸ごと購入して死ぬまで参拝します!』と神かけしても構わんのだぞ!」
雄常「そこまでしないけど、でも本当に嬉しいわ。ありがとうな、萌神。胸が熱くなるってこういうのを言うんだろうな」
雄常「ところでどんな料理をしていたんだ? というかお前料理できたんだ。知らなかったぞ」
萌神「できない! だから包丁でまな板を叩いていたんだ!」
雄常「……叩いていただけ?」
萌神「叩いていただけ!」
雄常「……今から朝ごはんの準備するからちょっと待ってな」
萌神「わあい! 朝ごはん、萌神雄常の朝ごはん大好き!」
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