56 「神が、『おまえの萌えは何か』とお尋ねになるとそれは答えた。『我が萌えはレギンス。我々は、紳士であるがゆえに」

萌神「見ろ見ろ雄常! これを見ろ!」


雄常「……お前さあ、いくら俺の家だからって、年頃の女の子がスカートまくり上げてパンツ見せようとしてくるのはどうなのよ?」


ロボ娘「躊躇なく痴女認定したいですロボ」


萌神「ふふん、誰がパンツを見せていると言った? 目を閉じているから真実を見失っているのだ。その眼を開け、ありのままを見よ!」


雄常「名言っぽく語るんじゃないよ……ってスパッツ?」


萌神「そうよ! これぞ人間の雑草魂の降臨形態、スパッツ萌えよ!」


萌神「年頃女性は己の美しさを見せびらかしたい! しかしそのためにスカートを短くしてはパンツが見えてしまう! 意中の人ならまだしも有象無象に見られることなど屈辱! 耐えられるものではない!」


萌神「しかしそこで現れたのが、スパッツ! これを履くことでスカートを短くしてもパンツが見られる心配は無くなった! これには多くの女性が喜び、男性が嘆いたであろう!」


萌神「しかしこの世の中、不当な権力者の支配にいつまでも民衆が屈することは無く、やがて反逆するのは歴史が証明している! これと同様に、防がれるのならば防ぐものに萌えればいい! この圧政にもめげず新たな活路を探す、人間の不屈さたくましさが多分に出現している萌え! それがスパッツ萌えなのだ!」


雄常「………………」


萌神「さあ、雄常よ! 今の私はスパッツだ! 肌を晒さないでいながらもラインだけは見せつけている! そんな私を見て、萌え萌えしろ!」


雄常「……一つ言いたいことがある」


萌神「自由に言うがいい! 『お主に一目ぼれじゃ、抱くぞ』でも、『ハア……ハア……嗅いでもいいですか?』でもよい! 幅広く受け入れよう!」


雄常「……今見せびらかしてるスパッツ。穴開いてて下のパンツが見えてんだけど」


萌神「………………」


雄常「………………」


萌神「……これぞスパッツもパンツも楽しめる全く新しい萌え! スパンツ萌え!」


雄常「常に萌えを思うその姿勢は正直尊敬してる」

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