51 方言の乱(1156)

萌神「雄常! 今暇やろ? うちと付き合い!」


雄常「あーなるほどなるほど。関西弁萌えね」


萌神「そうや! 数ある方言萌えの中で最も有名な方言、関西弁萌えや!」


萌神「この萌えは使いこなせればかなり万能感ある萌えやで! 聞きなれない言葉遣いをすることで物珍しさを演出することができるし、聞きなれた人にしてみると地元の人かもしれないという親近感を抱かせやすいんや! どちらに転んでもウマウマな萌えや! どや、すごいやろ! サイン書いたからもらっとき!」


雄常「いらん、でも関西弁ってこんな感じなのか?俺爺ちゃん家が関西地区にいたから何度か行ったけど、何か違う気が……」


萌神「そう、そうなんや! これが関西弁の、方言萌えの欠点なんや! まずこれだけは言っとくで! うちが使ってる関西弁なんてパチモンもいいとこや!」


雄常「何というぶっちゃけ」


萌神「仕方ないんや! 方言萌えは難しいんや! 確かに今のうちが話しているのは関西弁っぽく聞こえるかもしれへん。でも本場の人にしてみると嘲笑、冷笑、嗤笑ししょうもんでしかないんや! 何故なら方言はいくら調べても調べられないくらい奥深く、関西弁にしてからが地方によっては微妙に違ってきたりするもんなんやから!」


萌神「これではあかん! あかんのや! 萌えの神を名乗るもんがいい加減な萌えを体現していては笑われてまう! 笑わせるんやなくて笑われるんや! 最っ高に屈辱やで!」


萌神「という訳やから、方言修行のために大阪に行きたいんや! だからお金ちょーだい!」


雄常「やらないでもないけど、お前普段から渡しているお小遣いはどうしたんだよ? あれ貯めていけばいんじゃないのか?」


萌神「ダメや!」


雄常「何で?」


萌神「ウチの金が減るのはイヤに決まってるやろ!」


雄常「ただのケチかよいい加減にしろ」

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