44 悲しみの無効へ(前編)

萌神「………………」


ロボ娘「………………」


雄常「ん? どうした? 食べないのか? いくらでも食べて平気だぞ?」


萌神「………………」


ロボ娘「………………」


雄常「ショートケーキにチーズケーキ、チョコレートケーキやプリンもあるし、勿論シュークリームもある。カスタードやイチゴクリーム、生クリームたっぷりもあればバニラビーンズ入りとか、皮をチョコレートでくるんで、ザクザクの食感を出してる変わり種とか。色々揃ってるぞ。足りなかったらいくらでも買ってくるぞ」


萌神「………………」


ロボ娘「………………」


雄常「あ……そういうことか。これはすまん。こんな保存のきかない生物系のお菓子をいきなり渡したって困るだけだよな。それに考えてみたら女の子にこんなハイカロリーなものを渡すのもどうかしてたな。『食べる側には食べる側の都合ってものがある』姉ちゃんから言われてたのについ忘れてた」


萌神「なあ、雄常……」


雄常「とりあえず冷蔵庫に入れておけばしばらくは大丈夫だからそうするとして……そうだな、どっか出掛けるか。遊園地とか動物園とか。行きたいところがあったら言ってくれよ。何処でも連れてくぞ。もしないなら最近できたっていうショッピングモールがあるから、そこへ買い物に行くとかどうだ? もちろん金に関しては俺が出すぞ。この間バイト代が入ったから懐に余裕はある」


萌神「いや、あのな、雄常。私達は本気でそう思っている訳じゃないんだぞ? さっきの言葉は心の底から思った事ではないんだぞ?」


ロボ娘「今回ばかりはそいつの言う通りです。私もつい口車に乗せられてしまいましたが、先ほど言ったのは本音ではないのですロボ」


雄常「……本当にそうなのか? 俺に気を使ってそう言ってるんじゃないのか?」


萌神「それは無い」

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