29 必殺! 刺客人!(中編)

ロボ娘「……なに?」


雄常「あんたさっきこう言ったよな? 人に迷惑をかけた萌神を連れ戻すと」


ロボ娘「そう」


雄常「だったらそんな奴はここにはいないぞ」


萌神「え?」


ロボ娘「それはどういうこと?」


雄常「こいつは誰かに迷惑をかけた萌神じゃないってことだよ」


ロボ娘「しかしあなたは」


雄常「俺? 俺はこいつを迷惑だなんて思ったことは無いよ」


雄常「だからここには迷惑かけた萌神はいない。ここにいるのは……毎日毎日、色んなことしてくれて、俺を楽しませてくれた萌神だけさ」


萌神「お、雄常ぉぉぉぉ……!」


ロボ娘「………………」


雄常「さぁ、縄をほどいてくれよ。こいつは誰にも迷惑かけてないんだからよ」


ロボ娘「………………だめ」


雄常「え?」


ロボ娘「だめ、それは出来ない」


雄常「おいおい、そりゃ無いだろ。こいつは誰にも迷惑かけてないんだぜ?」


ロボ娘「だめ……萌神を逃がしたら私は存在していてはいけない」


雄常「なんだと?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る