27 巫女巫女なれず

萌神「はーいお待たせ! 巫女萌え一丁!」


雄常「食堂の飯みたいに出てくんじゃないよ。巫女さんの格好はよく着てると思うけど」


萌神「ふふん、そうであろう? 凄いだろう? サイン書いて「いらん」……」


萌神「み、巫女萌えとはニッチながらも強烈な人気を誇る萌え、そして上級者向けの萌えとも言えるだろう!」


雄常「何でだ?」


萌神「巫女、紅白というシンプルな色合いも惹かれるものはあるが、やはりこの萌えの肝心な部分は征服欲の刺激にあるからだ!」


萌神「そもそも巫女とは神に仕える女性。しかし女性ゆえに人間。自らの感情に左右され、想いと使命の板挟みにあうことは多々ある。この様子のなんと萌えることか!」


萌神「しかも相手は神。この世を作りし万能の象徴、その神に仕える女性を強奪するのだ! 即ち自分が上だと感じる行為、これ以上の征服欲や優越感をくすぐるものはあるまい」


萌神「気分はまるで神に逆らう英雄譚の主人公が如しになるだろう! そしてお前の聖剣は重力に逆らうが如しになるだろう!」


雄常「女の子が下ネタ言うべきじゃない何ていうのは古い考えかな」


萌神「良いんだよグリーンだよ! という訳で雄常! 私の体を神から奪いたくはならないか⁉ 汚れなき初雪がごとき体を、お前色に染めたくならないか⁉」


雄常「その前に質問いいか?」


萌神「何でもいいぞ! 帯の解き方から下着の有無、袴から手を入れてまさぐる方法など何でも聞くがいい! 勉強してきたから何でも知ってるぞ!」


雄常「神に仕える『人』が巫女なら、神に仕える『神』が巫女って言えるのか?」


萌神「……」


雄常「……」


萌神「……脱ぐ」


雄常「手伝うぞ」

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