15 普通科大学の平均生(中編)

普通科大学にて

野丸奈子のまるなこ「~♪」


萌神「あれか……?」


雄常「ああ、名前は野丸奈子。俺と同い年の大学生だ。ケーキ屋でアルバイトしていてよく買いにいってるんだ」


萌神「なるほど……萌え戦闘力の方をみてみるとするか……」


ピピピ


萌神「萌え戦闘力……たったの5か……ゴミめ……」


雄常「おいこら」


萌神「すまん言い過ぎた。でも言いたくもなるだろう! あの女を見ろ!」


萌神「特に胸が大きい訳でもない、服も普通、髪型という点に至っては長くも短くもなかった。あれでは何度も何度も吹っ飛ばされ、レギュラーは無理だと告げられるぞ!」


雄常「彼女は練習後にシュート500本も打たないぞ。あとお前さっきから結構失礼なこと言ってるな」


萌神「しかし事実だ! これでもかと言うくらい萌え要素が存在しない女! 一体お前はあの女の何処に惚れたのだ⁉」


雄常「……性格だな」


萌神「それなら性格はなんなのだ? ヤンデレか? クーデレか? 素直クールか?」


奈子「あ、波野くーん」


雄常(ヤバい、隠れろ)


萌神(心配しなくても今の私はステルス仕様、お前以外の人間には見られん)


雄常(まるで神様みたいだな)


萌神(神様だっての)


奈子「やっほー、この間のシュークリーム美味しかった?」


雄常「ああ、うまかったよ」


奈子「そっか。良かった。バイト先であまり過ぎて困ってたときに引き取ってくれたから、本当に助かったよ」


雄常「困ったときはお互い様だろ」


奈子「そうだね。じゃあ波野君が困ったら教えてね。私が力になるから」


雄常「……今は無いけど、そのときは頼むよ」


奈子「いいよ、いくらでも言ってね。それじゃ私次の時間講義があるから、じゃあね」


奈子、立ち去る。


萌神「いったな……」


雄常「ああ……」


雄常「いい子だろ? 確かに取り立てて特徴はないかもしれないけど、そういうところがなんかいいというか」


萌神「ああ、全く。これで小悪魔属性すら絶たれたとは……」


雄常「お前の頭にはそれしか無いのか」

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