4 萌えた男の子は二次嫁を想うとつい妄想しちゃうの

雄常「とりあえずお前の言っていることは信じるけど……俺正直萌えってよく分からないんだが」


萌神「馬鹿な! そんな人間がこの世にいるものか! 萌えとは心の栄養! これがあるから人は生きているのだ! そしてこの感情は人間のみに許された高等感情であり、そして同時にこの世の中に存在する全ての人間が抱くものであるのだ!」


雄常「だってなぁ……俺アニメとかそんな詳しくないからなぁ」


萌神「ちっちっち、甘い。甘いぞ! コーヒー牛乳並みにあまい! 萌えがアニメを見る人間の専売特許だとでも思っているのか? もしそうなら私は明確に否定しておこう!」


萌神「いいか? 萌えとは誰しも持っている感情だ。誰であれ一度は抱く想いなのだ。お前とてあるはずだ! ただそれを普段の忙しい日常に構い過ぎて、思い出せなくなっているだけなのだ!」


雄常「初恋みたいに語んじゃないよ」


萌神「似たようなもんだ! 好きな異性が出来れば誰しもその感情を抱くのだ! お前もあるであろう! 女の子に好意を抱くことが!」


雄常「それはあるわな」


萌神「そしてその子が自分に告白してきたら? 自分に対して愛妻弁当を作ってきたら? そう思った時何も感じないのか? そうではないだろう?」


雄常「まあ……その辺も分からないでもないけど……」


萌神「誰もいない教室で告白してきたら? 自分に対して深く繋がることを求めてきたら? 両想いになったと分かったら異端な性癖を持っていて、それに付き合う内に自分も満更でもなくなっていったら? そんな風に妄想したことあるだろう!」


雄常「妄想かよ、しかもそれはただの変態だ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る