第190話 僕の異常行動
その翌日も僕はパソコンに向かい、妄想を膨らませていた。
朝の十時過ぎに、僕は川崎競馬場の場外にいた。競馬場の隅々まで歩き周り、遊びに来ている人達にお金の価値が明日から無くなると言って回った。
僕の話をみんな無視した。頭のおかしい奴にしか見えないのだろう。
そうすると今度は、堀之内を歩き客引きの男たちに中指を立て挑発行為を繰り返した。
すると今度は、靖国神社に行きたくなった。僕は一度だけ靖国神社に行った事がある。神風特攻隊の展示物を見て涙を流し、もう一度見たいと思ったのだ。
僕は公道を走り出した。
途中、五回警察に止められ職務質問をされた。持ち物検査をされ「これ以上公道を走るなら保護します」と言われ歩道を走り始めた。
平和島を過ぎた辺りで夜も更けお腹が空いたがお金が無い。無料で食べさせてくれる店を探し始めた。
和風居酒屋に飛び込み、お金が無い事を伝え、何でも良いから食べさせてくれる様に頼んだ。大将が良いと言うので僕はカウンター席に座った。
テレビでサッカー日本代表の試合が行われていた。大将に「日本代表は好きか?」と聞かれ、僕が「興味ありません」と言うと顔色が変わり出て行けと怒鳴られた。
僕はスゴスゴと店を出て次の店を探した。
インド料理屋に入り、お金が無い事を伝え無料で何でも良いから食べさせて欲しいと頼んだ。
カレーとナンを出し、ビールまで付けてくれた。
僕は食べ終わると、今度は店に泊めて欲しいと頼んだ。店員はオーナーに聞かないと分からないと言い、その人を連れて来た。
オーナーに食事のお礼を言うと、どこか近くに無料で泊めてくれる場所がないか聞いた。
そこへ刑事だと名乗る男が現れた。
何かの武術が五段だとか言って僕に絡んできた。僕と男が揉み合いになった瞬間、警察が割って入って来た。
警察署に連れて行かれ厳しい尋問を受けた。
僕は無言を通した。そこに兄と姉が来た。僕は品川警察署にいた。警察は僕が精神障害者だと分かると急に優しくなった。
このまま精神病院に連れて行くと言う事になり、警察署を出て姉を家に送り取りあえず兄の家に連れて行かれた。
そこでも僕はじっとしていられず、兄に病院の前で待とうと言われ車を走らせた。
僕の病状は明らかに悪かった。
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