第189話 たぬき

 この日もパチンコをして負けて、川崎駅から家まで歩いて帰った。


 地元の商店街まで来ると店長の原口が返る途中だった。僕はパチンコに負けて一万円しか持って無い。


 原口が珍しく一緒に飲みましょうと言う。安いお店を知っているので僕にご馳走してくれると言う。


 僕の提案で、友達の正人のお姉さんと旦那さんがやっているお店に原口を誘った。店の名は「たぬき」と言い値段は木の実よりも高い。


 木の実は経営不振で廃業していた。


 お姉さんに一万円しか無いのでよろしくと頼んだ。


 原口の話は現場での戦いがリアルに表現されていてとても面白かった。十九時半になると、明日も仕事が早いので帰りますと言う。


 僕は今、休職中で気が回らなかった。面白い話を聞けて満足した。


 支払いはお姉さんの計らいで七千円だった。

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