第188話 矛盾
みつくちという奇形が、若い時の僕を苦しめた。
みつくちの克服法を知っていたならもっと幸せな人生を送れただろう。
そしてこの精神病だ。
こいつがどうしようもない絶望感へと僕を誘った。何人の女性を諦めた事だろう。僕の一番欲しい家庭が作れなかったのは悔やみきれない。
何度も言うが、兄は僕が寂しくて仕方がないと言うと必ず「ソープランドに行け」という。
僕はセックスがしたいのでは無いのだ。
そのくせ兄は自分で幸せを探せと言う。全く言っている事が矛盾している。
翌日も僕の妄想は続いていた。
この頃、僕は日の出屋を休んでいた。
仕事に行かずパチンコに興じて、毎日種銭で五万円持って歩いた。ガオに夢中になっている兄のやり方に不満を持っていた。
勿論、仕事に参加していた時は頑張って仕事に励んだ。しかし物事には限界がある。
無理難題を押し込む兄について行けなくなっていく。
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