第130話 犬
立ち退きの後、一軒家が完成した。
持ち家は親父の夢でもあった。親父と千代子は一階に住み、僕と姉は二階に別々の部屋に住んだ。
姉が結婚は面倒くさいと言い独身のままだ。
一軒家にして住む様になると兄が犬を飼おうと言い出した。
僕の小学生の頃に飼っていたコロという雑種犬の他に高校一年の頃、兄の友達の中島さんからダックスフンドを貰い支店で飼った事がある。
「ボケ」と名づけた雄でおとなしく人懐っこくて可愛いい犬だ。しかし、おしっこを所構わずするのが駄目だった。
僕は二階の部屋でボケを連れよくビールを飲んだ。ビールをボケに飲ませると喜んで飲んだ。酒に酔うとフラフラになるボケを見て楽しんだ。酔うとおしっこをするので後始末が大変だった。
散歩にあまり連れて行けなくてそこらへんにおしっこをするのだろう。しばらくするとボケの毛が抜けだした。動物病院で見てもらうと、ストレスから来ていると言われ注射を打ち塗り薬をもらった。
兄が首輪を外しドアが開いた瞬間外へ逃げてしまい行方不明になった。ボケは二度と戻って来なかった。
犬を飼うのは今回で三度目になる。兄と二人でペットショップへ行き、どの犬にするか悩んでいた。
柴犬は飼い主以外に懐かないし番犬にもなると聞きそれを選んだ。しかし、この柴犬は十日も経たないうちに病気で死んでしまった。
ペットショップの保証を使い、兄と別の犬を探した。
僕の目にとまったのは生まれたばかりで雄のゴールデンレトリバーだった。目がぱっちりして可愛い子だ。この犬に決めた。
名前は兄の名を一つ取り「文太」とつけた。家の裏に犬小屋を作り放し飼いにした。
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