第129話 風俗

 僕の相談相手は澤田さんしかいなかった。澤田さんと風俗にもたまに気分転換に行った。 


「ソープランドとファッションヘルスってどう違うんだ?」と聞くので「ソープランドは本番ありで、ファッションヘルスは本番無しで、手や口でイカせてもらうんです。本番が無い分ヘルスの方が若くて可愛い子が多いですね」そう答えると「昇は詳しいな。俺は勇気が無いから一人では行けないな」と言っていた。


 僕のお世話になっているヘルス店では本番をやらせてくれる嬢も稀にいた。ベッドに横たわり最初は僕が下になりサービスを受ける。僕が上になり愛撫してある体位にまで持っていけると本番出来た。


 本番の駄目な嬢は話す言葉と態度ですぐに分かった。僕の愛撫は嬢にとってとても気持ち良いらしい。


 ある嬢に「あなたの女性に対する優しい愛撫はお金が取れる。私と組んでビジネスにしない?」と言われた事があるがやんわりと断った。


 澤田さんとはヘルスによく行った。僕がヘルスで本番をしていると聞いて澤田さんはチャレンジしたらしい。


 帰り際フロントの男に呼び止められた。


「男だから気持ちも分かるけど本番無しって注意事項に書いてあるよね。嬢から苦情が来たよ」


 そう言われると腕を取り店内に入れようとしている。


 僕は慌てて間に入り「すいません。酒を飲み過ぎたようです。見逃して下さい」


 そう言うと澤田さんの腕を掴み店員を突き飛ばし走って逃げた。幸い店員は追いかけて来なかった。


 しばらくこの店には行けないと思った。


 澤田さんに風俗の遊びを教えたのは僕だ。澤田さんは一人で風俗に行く様になっていた。

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