第3話 読んでください3

「効かないな」


俺の弾が全てはじかれた。


重力を操作する、土属性の防御術式なのだろう。


「模擬戦とはいえ、殺す気できなよ。そうじゃないと戦いにならない」


「くそ、名家の術師さまは、他人を見下すな」


俺のように、近代で成り上がった歴史の浅い家はバカにされて当然なのだろう。


「こちらからいくぞ」


術師は札を宙に投げた。


そこから無数の針が跳びだしてくる。


金属性の術だな。


「刺さらないようにはしておいたよ」


手加減してくれたんだな。


俺はなんとか避けようとするが、何発かくらってしまった。


「どう? まだ続ける」


体を痛めた俺に向かって、術師が言う。


「ああ、続けるし、殺す気でいくよ」


俺は腰に付けたガンホルダーから、単発式拳銃を抜く。


今回装填されているのは、グレネードではない。


「特別に作ったマグナムだ」


でかい音を立てて、薬莢に詰まった火薬が爆発。


爆風を受け、弾丸が術師にとんでいく。


「よし、防御を抜けたぞ」


重力障壁を抜けて、弾は相手に命中した。


「痛いな。かなりの威力だね」


「俺の切り札だからな」


「じゃあ、こちらも手の内を教えるよ」


術師が次に投げた札から出たのは、ただの水だった。


「なんだ? 何を教えてくれる?」


「これだよ」


度札が投げられた。


地面についた札から、木のつるのようなものが伸びいてくる。


「陰陽五行ってのは、この世にあるものを読み解いた法則だ。水は火を消すし、土は水をせき止める。木は土に植える」


そこでいったん間を置き、


「五行は相克だけではなく、力を与える関係まで読み解いた。水は木を生む。我が呪水を吸って育った木は、急激に成長するぞ」


つるは俺をめがけて、迫ってくる。


「よけれない」


俺は絡み付けられ、動きを封じられた。


「今日はここまでにしておこう」


そう言って術師は去っていく。


「これをなんとかしろよ」


「大丈夫。少し経てば腐るから。演習場の片づけ、お願いね」

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バトルもの ブッキー @nukki

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