エピローグ
楓の季節は巡りゆく
人生は選択の連続だ、と誰かが言っていた。
多分だけど、この「選択」の中には、僕だけではなく僕の周りの人々が行う様々な選択も含まれているのだろう。
多くの人々がそれぞれに何かを選択した結果が積み重なり、今の僕がある。
皆、どこかで何かを選び取ってきた。
そして、僕にも選ぶべき時が来たのだろう。
君か、この世界かを。
僕が君のことを忘れることはない。それは変わらない。
その上で、選択しなければならないのだ。
君の記憶にしがみついたまま周りに目を向けずにいるか、僕の周りに広がっている世界を、ちゃんと自分の目で見つめていくのかを。
わかってる。
君がそこにいたら何て言うかなんて、わかってる。
だけど、君はもういない。
答えは返ってこない。
全ては、僕の手に委ねられてしまった。
自分で言うのも難だけど、僕はそんな器じゃない。
けれど、泣き言を言ったところで何も変わらない。
選択肢は僕の目の前にあり、僕にできることは、どの道を選び足を踏み出すのか、それを決めるだけ。
足を動かさねばならないのなら、もう前に進むしかないのだ。
どんな方向へ向かうにせよ、後戻りすることはできないのだ。
だから、君のことを背負い、彼女たちのことも抱えて、全部を受け入れていこうと思う。
そうやって、一歩ずつ踏み出していこうと思う。
どんな結果になるかはわからないけれど、どうか見守っていてほしい。
これから踏み出す僕の一歩を。
これからの、僕の選択を。
SELECT 本田そこ @BooksThere
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます