約束したから。
いつか君に本を返すという約束。
約束とも言えないような曖昧な約束。
でも、君はそんな一見くだらない脆い約束を
覚えていてくれていると
わかっていたよ。
だから、本を貸したんだ。
君と
一応
で交換した連絡先。
会おうとはお互い言わず
本を返すね
と連絡した。
君が貸してくれたこの本は
青い春をくれたこの本は
君がいない大学で君といる。
四年ぶりに会う君を、まともに見ることができるだろうか。
もっと君は美しくなっているのだろうか。
きっと君は聞きたいと言うと思うから
大学の時の話をたくさんしよう。
きっと君は話を聞いてくれると思うから
大学の時の話をたくさんしよう。
四年間、
君に捧げるのに値するものを見つけるために
たくさんの本を買い漁った。
君はまだ、好いていてくれるだろうか。
今度は本ではなくて
自分の口からもきっと言う。
世界を2人、隣同士で眺めていたいと。
君とともに生きていたい、と。
青い春の本 青葉芳 @aobys97
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