第3話 リノ様親衛隊
「また、アイツかよ」
「いつも、隣にいやがって…。くそっ」
「にしても、相変わらず可憐だなぁ」
複数人の男の生徒が校舎の陰から彼らをみていた。いや、正確には彼女だけだったか。
校舎の陰でコソコソしている彼らはリノの大ファンであり(自称ではあるが)リノ親衛隊と称している男子生徒達だ。
「どうして、リノ様はあんな野郎の隣にいるだ…」
「そりゃあ、頭良くて剣術の腕前もすげぇからだろうが。気に食わねぇが」
「だけどよォ……。そうだ、リノ様を放課後にでも呼び出そうぜ、あの男と一緒に」
「何でそんな回りくどいことをしなきゃなんねぇんだよ」
「わかってねぇなぁ、遺跡に呼び出すんだよ」
「い、遺跡にッ?!あそこはヤバイ獣の巣だろうが!」
「待て待て、落ち着け。作戦の手順はこうだ、手紙を使って2人を別々に呼び出す。リノ様は遺跡の奥に、野郎は遺跡の前に、ただしリノ様に危害が加わらねぇように生物学とかを研究してる奴に魔除けのポーションを貰って振りかけてから遺跡の奥に向かわせる」
「それで?」
「野郎にはリノ様が遺跡の奥に行ったことを伝える。ただし野郎に獣が好むポーションを振りかける。すると、道中でボロボロになりながら遺跡の奥にたどり着く」
「なるほど、そこを俺達がリノ様の前でボコすんだな!情けねぇ野郎に興味を無くしたリノ様は俺たちに目を向けるわけだなッ!」
「その通りだとも!いいか、みんな。相手が剣術の成績が良いからと言っても、多数の獣相手は流石に厳しい。そんなボロボロだったら俺たちに勝ち目ありだ!」
「「「おぉ!!」」」
「それじゃあ、放課後までに手配を済ませとけよ。各自で準備だ!」
六の華 @Watabou
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