第7話 ヴィヴィアン・マイヤーを探していた


レンタルDVDを借りに、パソコンで店舗検索。

23時までの営業。

その時の「今」は

21時46分くらいだった

まだ間に合う。



車を運転して、ツタヤへ。

5分くらいの距離にあった。

新作コーナーで物色。

視界に映り、過ぎてゆくタイトルに目を凝らした。

なかなか見つからない。

返却されたDVDを棚に戻している女性店員が目に入った。

いざとなれば、訊けばいいか。

探しているDVDがあった。

検索結果では、この店舗でレンタルができることになっていた。

そのタイトルを知ったとき、一つの生き方を見つけた気がした。

自然と、僕の小さな声を拾ってくれたように感じていた。


心の闇と、心の声


DVDが羅列された棚を注意深く眺めた。

色んなタイトルが目に入ってきた。

借りたことがあるもの。

借りようと思わないもの。

借りてみようかと迷うもの。

昔、ブックオフやゲオとかのチェーン店の古本屋で同じように棚を眺めていた。

洋楽のCDを探しに色んな店舗を回った。

棚を眺めるというより、にらめっこしていた。


じっ と、棚に並べられたタイトルと にらめっこ

そんな中で、眼に映るもの

自分が見知らないものを探してた

まるで視界の中、そこだけ光るもの


目に入ってくるタイトルが自分に新しい息吹を与えてくれた。


心に応えてくれるものがあった。


眼で彫刻を彫り進めて

現実を刻み、想いを動かしていた。


結局見つけられなくて、レジカウンターの店員に訊ねた。

店員はカウンターのパソコンで検索結果を確認した。

「このタイトルでお間違いないですか?」

店員の対応は早く、やはり簡単に見つかった。


「間に合ったのだろうか?」


私の心に刻み、浮き上がってくる瞬間がある。


もう、探し出す時間だ。


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「写真を撮り直したいとき」 @hougen

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