第三章 幕間狂言

第17話 登場人物紹介 〈第三章開始時〉

ヴァン

 バルムンクの死術士。邪法に手を染めていながらも副頭領リヒテルの信任厚く、テレーゼの補佐を務めていたが、異教徒スヴァルトとの混血という出自が知られ、背任容疑で投獄される。


テレーゼ・ヴォルテール

 頭領アーデルハイドの一人娘、十七歳。我儘だが、仲間思いかつ行動力のある快活なお嬢様。知力に難があるのが玉に瑕。スヴァルトに勝利したものの不穏な空気漂うバルムンクに不安を覚えている。


リヒテル・ヴォルテール 

 アーデルハイドの弟にして副頭領。衰えた姉に代わって組織の切り盛りをしている。見事、リューネブルク市をスヴァルト支配から解放したが、急速に肥大化した組織は統制を失いつつあった。二十三歳。


アーデルハイド・ヴォルテール

 バルムンク頭領。穏健派であり、今回の解放作戦には懐疑的だった。戦争が不可避となったため、表向きはリヒテルの方針に賛同するが、その真意は香と知れない。所属不明の女医者を囲っている。三十二歳。


グスタフ・ベルナルド・リューリク

 スヴァルト貴族。〈蜘蛛〉と呼ばれる策士であり、その汚い手口は同じスヴァルト貴族の中で有名。二十四歳。かつてバルムンクの世話になっていたが、裏切りの果てにスヴァルト侵略を誘発した卑劣な男。過去にリヒテルと因縁がある。


ボリス・ムスチラスフ・ゴルドゥノーフ

 スヴァルト強硬派の旗手、二十五歳。その手腕はまさしく血で血を洗う残忍なもので、特にファーヴニルの対しては容赦がない。ウラジミール公の婿養子が内定しており、事実上の〈王位〉継承者。



「あらすじ」

 見事、リューネブルク市をスヴァルト支配から解放したバルムンク。しかし内部の対立に足並み揃わぬ神官軍、スヴァルトの報復に怯える住民と統制には大きな問題を抱える中、南部のファーヴニルと合流するため、バルムンクはハノーヴァー砦の攻略を強行する。

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