メソポタミアすごい。

語彙

すごい(すごい)

メソポタミアすごい。


まず小麦の収穫率がすごい。56倍くらい。

これは今の化学肥料・農薬・コンバインなんかの機械を使う農業と同じレベル。

一粒小麦を蒔けば50粒以上に増えて戻ってくる。


中世のヨーロッパでの収穫率はめっちゃ低くて5倍くらい。

これは気候のせいもあるけど例の名画みたいに種をバーッと蒔くから無駄が多いせい。

メソポタミアは牛で引いて畑を耕す鋤を発明してて、そこに自動種蒔き機をつけてた。

これなら種が綺麗に一列に、無駄なく適量に蒔ける。

日当たりも風通しもよくなって小麦はすくすくと育つ。すごい。


食べ物がたくさん取れると生活に余裕ができて文化が育つ。

そのうち文字も発明しちゃったのがすごい。人類初。すごい。小説も書ける。

材料は川岸でいくらでも取れる葦の茎とこれまた同じようにいくらでも取れる粘土。

先を尖らせた葦のペンでくさび型の文字を粘土板にスタンプしていく。

最初は右上スタートの縦書きだったけど、しばらくすると左上スタートの横書きになる。

これはせっかくスタンプした文字を自分の手でムニュッと潰しちゃうわないように、

なんやかんやあって変更されたみたいだけどそのへんの詳細は不明。


法律を制定したのもすごい。

有名な「目には目を、歯には歯を」の法律だけど、厳しいだけじゃなくて、

「孤児や寡婦が財産を他人に損なわれる事のないように」っていう、

社会的な弱者を守るためだっていう一文があるのがすごい。文明的。

あとビールの銘柄や製造方法も細かく明記されてて、

「水とか混ぜてズルすんなよ!」って書いてあるのもビール大好きメソポタミア人って感じがして素敵。


あと何気にすごいのが、「成文法」だってとこ。

文章としてやわらかい粘土板だけじゃなくて固い石にガッツリ刻み込んである。

これには法律を作った王様も自分の定めた法に従わなくちゃいけない。

王様が自分の気分しだいでわりと自由に死刑!とかできた古代ではちょっと珍しいケース。

俺がルールだ!が通らない法に守られた社会で、国民は安心して生活を送る事ができた。


滅び方もすごい。

いろんな原因はあるけど、あまりにも国が豊かになりすぎたのが良くなかったみたい。

外国との貿易が盛んになって経済が発達していくうちに、

みんなお金儲けに走ってしまって、コツコツと畑を耕す人がいなくなってしまった。


放置された畑に上流の塩湖からの塩水が流れ込んできて塩害が発生。

こまめに水を流して土を返し、手入れをすればまだ助かった畑も、

気が付いた時にはもう手遅れの状態になっていた。

いつの間にか豊かな農地は作物のまったく育たない不毛の砂漠に。


国外から高い値段で食料を輸入しなくてはいけなくなると、貿易赤字が増えて、

不景気になって商業も衰退。どんどん国が貧しくなって人も減っていく。

たくさんあった都市国家も力を失って、ひからびた干しレンガのように崩れ、

砂漠の中に消えてしまった。


いろんなことを考えさせてくれる古代メソポタミア、すごい。


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