今日を生きるために。

青葉芳

暖かい桃色の優しい風が吹く。

わたしをいつも監視している太陽様が、

今日はなんだか機嫌がいいみたいでふわふわしている。

お気に入りの上質なサテンの白いワイシャツ。

通す袖の滑らかさが耽美的。


襟を整え、

黒髪を結わえ、

エナメルの黒く高いヒールを履いて、

背筋を伸ばして、

出来上がり。


シャツの白のように誠実に。

上質なサテンのように気高く。

生きにくい今日という日の中を、

堂々と歩こう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

今日を生きるために。 青葉芳 @aobys97

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ