腐りきった世界貿易機関。

ЕСБの革命

売国は世界貿易機関から…。

 俺は以前、国連の職員として働いた事がある。

世間では国連は素晴らしく、世界の秩序を守る高尚な組織と言われているらしい。

 しかし、俺からすれば国連は世間で言われる程、高給でもなく、それでかつ長時間労働も常態化している。

 なので、俺はこんなクソみたいな国連を辞職し、ロシア連邦に亡命した。

 そして亡命先のロシア政府に国連や国際機関の闇を情報提供を行った。


それから1ヶ月が経ち…、


「なぁ、アレク。お前は、TPPなどの自由貿易協定はアメリカが主導していると思うか?」


 俺はTPP等の自由貿易協定が米国主導だと思ってなどいない。

 何故なら、WTO毎、世界貿易機関がTPPなどの自由貿易協定を推進している事を知っているからだ。

 だから僕はWTOを始めとして国際機関の意見をあまり参考に出来なかった。

奴らの情報を鵜呑みにすればそれで終わりだから余計に…、


「ううん。僕も自由貿易協定はWTOが推進している様に思う。G20でさえも新自由主義や自由貿易協定を推進していたからそれは間違いないと思っている。だから、エドワード。君がWTOを疑うのは正しい国際感覚だと思うよ。」


 ありがとう。アレク。

 俺はWTOやG20が自由貿易協定や新自由主義を推進していると解ったなら明日、G20の会議場を盗聴すれば良いと思った。

 勿論、ロシアのウラジオ・メドベージェフ大統領公認でその情報を聞き取ってくれるからその点は非常に助かる。

 だから今ここでアレクと別れて明日の準備を行った。


 ********

 翌日…、


「メドベージェフ大統領。おはようございます。」


「Доброе Утро. Эдвард. (おはよう。エドワード。)」


 俺は大統領に許可を得て、これからドイツのハンブルクで行われるG20に同行する事になった。


「では、俺は裏口から偽名で参加するよ。」


「あぁ、貴様の業績をぜひ、見せてくれ。」


 そしてドイツ・ハンブルクに到着後、俺はメドベージェフ大統領とは別行動する事になった。

 すると俺は裏口から入ろうとした時、周辺が妙にざわついた。


 ―――何だ。民衆が暴れているぞ。もしや、G20サミット開催に対して非常に反対しているのではないのか?


 俺は民衆がG20サミットに反対している状況だとG20、WTO等がドイツ国民に非常に恨まれていると肌で感じた。

 丁度、G20サミット開催にはWTOの職員も入る事が明らかになっている。

 その異様な雰囲気を感じ取った瞬間、俺は裏口から入ってG20サミットの情報を得た。


 *****

 そして、ドイツ・ハンブルクからロシアの首都、モスクワに帰る際、大統領専用列車の中で俺はメドベージェフ大統領にG20サミットや周辺の件について語る事した。


「メドベージェフ大統領。やっぱり、G20サミットはWTO職員が凄く監視していたな。それで周辺では民衆が暴れていたから凄く君が悪かった。」


「そうか。エドワード。君はG20サミットやWTOが言論の自由を妨害していたのは間違いなかったか。」


「あぁ、大統領が自由貿易反対の件を語ろうとするとWTO職員は凄い目で睨んでいた。俺はそれが凄く怖かった。」


「ふっ。大丈夫だ。エドワード。俺は君が思っている程軟じゃないから安心しろ。」


 大統領はG20の件が凄く理解していた俺は少しだけ一安心した。

 そうでなければ彼は基本的に参加しない事が分かっているから。

 俺は、そう思いながら録音したG20の会合内容を録音機で再生した。

 そして、話し合いが終えたらこの件に関する報告書をロシアで書かなければならないと実感した。

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